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コンビニとフランチャイズ

コンビニの強制閉店とフランチャイズ問題

コンビニエンスストアは全国に5万8000店以上あり、今や10兆円を超える巨大市場です。

年間で累計174億人が足を運び、日々の買物やさまざまなサービスを利用する生活者にとって、身近で欠かせない存在ですが、フランチャイズ問題があらためて浮き彫りになっています。

2019年の2月には、セブンイレブンの加盟店が営業時間を短縮し、これを契約違反とするセブンイレブン・ジャパン(本部)と対立。

加盟店のオーナーらが集まる団体も24時間営業の見直しを要求する事態となり、テレビ、新聞などでも大きく報じられました。

今回は、セブンイレブンではなく、宮城県内にあるミニストップの強制閉店が話題となりましたので、問題の内容と構造についてご紹介いたします。

コンビニのフランチャイズ問題とは?

ミニストップ店主、チェーンで封鎖され強制閉店 家も車も売却、借金漬けの末に

店舗の経営をめぐり、ミニストップオーナーと本部が対立しているーー。

宮城県石巻市にあるミニストップ石巻渡波店のオーナー(56)は11月15日、強引に店をやめさせられたとして、本部を相手に慰謝料など220万円を求めて、仙台地裁石巻支部に裁判を起こした。別途、損害賠償を求める裁判も予定している。

店舗は11月8日、本部によって閉鎖された。同日、本部社員が契約解除の通知書を示したうえで、店舗の関係者を店外に追い出したという。オーナー側はこの「追い出し」が原則禁止されている「自力救済」に当たると主張している。

石巻市は2011年の東日本大震災による被害が大きかった街の1つ。この店舗も一時営業できなくなったが、再開が早かったため、繁盛していたという。

しかし、最終的には、オーナーが自宅や車を売却し、借金を重ねることに。毎日の売上金を本部に送金することも困難になっていったという。

コンビニビジネスでは、未経験者がオーナーになるなど、経営力が不足した加盟店も珍しくない。本部の言いなりになり、泥沼にハマる事例も散見される。実態をあらわす一例として紹介したい。(編集部・園田昌也)

●日販は一時200万円に迫っていた

この店舗は2006年、本部が土地・建物などすべてを用意する契約(MLタイプ)でオープンした。

東日本大震災の影響で一時営業できなくなったが、営業再開が早かったため、1日の売り上げが200万円近くになることもあったそうだ。

ミニストップの平均日販は43万円(2019年度)ほどだから、かなりの金額だったことがわかる。

ただし、本部に納めるロイヤルティーの関係で、店の利益は日販ほど大きくはなかったという。というのも、売り上げ(より厳密には売上総利益)が増えるほどロイヤルティーの比率が高くなるよう設定されているからだ。

●本部に従い契約タイプを変更したのが裏目に

そこで本部はこの店舗に契約タイプの変更を持ちかけてきたという。店側が土地の賃料などを持つ代わりに、ロイヤルティーは定額で低く抑えられるというもの(SLタイプ)だ。

しかし、本部の勧めに従って、契約タイプを変えたものの、街の復興が進み、営業する商店が増えたため、店の売り上げが落ちるようになっていった。

賃料などの負担がのしかかり、オーナーの収入がほとんどないという月も珍しくなくなっていったという。本部に契約タイプの再変更を申し入れたが聞き入れられず、金策を勧められるばかりだったそうだ。

オーナーは自宅を売り、車を売り、銀行などからお金を借りて、営業を続けた。やめるにも違約金がかかるからだ。

ようやく、2017年になって、特例的に本部が土地の賃料などを持つ契約(N-MLタイプ)に変更できたが、借金の返済もあり、生活の厳しさは変わらなかった。

なお、ミニストップの契約期間は7年だが、契約タイプを変更すると期間がリセットされるという。

●中途解約が認められなかった

オーナーは2019年7月、本部に中途解約を申し出ている。自己破産を視野に入れたものだったという。

店舗の経営指導員からは、新しいオーナーを探す必要などがあるため、2020年2月まで経営を続けてほしいと言われ、オーナーも納得していたという。しかし、中途解約の書類は地区のマネージャーのところで止まっており、結局認められなかったという。

経営を続けるにしても、店からすれば、お金がないのだから生活できない。本部から毎月30万円の奨励金が出ていたそうだが、生活費や借金返済などのため、売上金の送金が完全にはできなくなっていったという。

10月31日には、本部から未送金の約195万円を納入しないと契約を解除するという通告書が届いた。オーナーは弁護士を立てて交渉したが、聞き入れられず、11月8日、店から追い出された。

●経営を続けたいわけではない

オーナーは、コンビニ経営を続けたいわけではないという。

「『客に迷惑をかけるな』というので、津波のときも台風のときも、店を閉めないようにと13年間、24時間やってきた。特にこの2年半は1日も休んでいない。寝ずに働いてきたのに、税金すら払えないのはつらかった」

一千万円を超える借金を抱えるようになったことも、「自分が無知で本部の言われるがままにしてしまったのが悪かった」という気持ちもあり、円満に解約を迎えようと思っていたそうだ。

しかし、閉めたいといっても店を閉めさせてくれず、弁護士を立てたら、有無も言わさず急に店から追い出すという本部の対応には納得がいかないという。

「毎日のように来てくれるお客さんもいた。『客に迷惑をかけるな』と言うのに、客に説明する時間もなく、追い出すのはあんまりだ」

●11月は徳島県でも元オーナーと対立

ミニストップに対し、事実関係やオーナーが借金に苦しむ中、どんな経営指導をしていたのかを尋ねたが、「現時点では答えられない」とのことだった。

ミニストップの契約解除をめぐっては今年11月、徳島県北島町の加盟店も売上金を送金できなくなったことを理由に契約を解除されている。

FNN PRIMEの記事(11月12日)によると、この店舗のオーナーも経営不振を訴えたところ、本部から借金するように言われたという。

ミニストップが公開している資料によると、2014~2018年度に加盟店が本部を訴えた裁判は4件。2019年度は福島県の加盟店オーナーが裁判を起こしており、今回も含めて、少なくとも2件の裁判が起きている。

引用:弁護士ドットコムニュース編集部

コンビニオーナーの平均年収は?

インターネットでコンビニオーナーの年収を調べたところ、700万円前後の層が厚く、少ないと300万円程度とあります。意外と高いなと思われるかもしれませんが、それは間違いです。

コンビニ経営は、少なくともオーナー夫婦など2人以上のため、世帯年収が700万円となります(一人あたり350万円)。さらに、アルバイトを雇った場合、人件費の支払いが増えてしまい、利益(年収)が減ってしまいます。家族経営のコンビニをたくさん見かけるのはこのためです。

地元のコンビニを守るために

以上、コンビニ問題の一部をご紹介させていただきましたが、コンビニ業界は以前より厳しい状況にあり、先ずは営業時間の短縮の方向で変わって行くと思います。

私たちサービス利用者は、無理にコンビニで買い物をする必要はありませんが、コンビニの廃棄(消費期限等の廃棄はオーナー負担)を減らすためにも、すぐに消費するものは、なるべく棚の手前に並んでいる物を購入する心遣いをもちたいところです。

事務所名 総合探偵社シークレットジャパン東北本部
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